【薬草学】ナツメグの効能・魔術的な意味・歴史や神話|魔女学ハーブ辞典

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今回はナツメグの効能や魔術的な意味、そしてナツメグの歴史や神話などの雑学を紹介します。

ナツメグの基本情報

ナツメグの名称・呼称

学名Myristica fragrans
和名
通称ナツメグ

ナツメグの効能・効果

  • 食欲増進
  • 抗菌作用
  • 整腸作用
  • 鎮痛作用
  • 性欲増進

ナツメグの処方

胃の不快感や下痢による下腹部の痛みや痙攣を緩和するには、チャイやミルクティーにナツメグを混ぜて飲みます。

倦怠感や気鬱の治癒には、クミン・シナモン・カルダモンなど他のスパイスと混ぜたカレー風味のスープやホットワインで、心身を温めます。

注意事項

妊娠中はナツメグを薬用として使用するのは避けましょう。また、大量摂取は有毒となるため、最大小さじ1杯の使用に留めましょう。

ナツメグの魔術的意味

ジェンダー男性性
エレメント風(火)
スターサイン 射手座、魚座
プラネット木星
対応する神々ダヌ:ケルト神話の生命の母神
マジカルパワー金運・幸運・勝負運・幸福・回復・睡眠

ナツメグの魔術的な使い方

ナツメグはシナモンと同じく金運と強い関連性があります。金運向上の魔術には、ナツメグの香り付けしたキャンドルや精油、パウダーを使用します。

幸運のお守りには、魔法のサシェやチャームにして身に付けたり持ち歩きます。ナツメグは知性やコミュニケーション能力のアップにも相応しいです。

ナツメグは媚薬や魅了のポーションに使われます。

精神を高揚させる力を持つため、気力を失い弱ってしまった心に生気を吹き込んで気力を与える魔術にも使われます。

免責事項|魔女学ハーブ辞典で紹介している内容は、薬用効果や魔術の効果を確約するものではありません。実践される際は自己責任で行ってください。いかなる不利益が生じた際も、当方が責任を負うことはできません。

ナツメグの歴史や雑学

ナツメグはハーブというよりは、スパイスに分類される種子です。ほんのりと甘さを含んだ暖かみのある芳香が特徴です。

ナツメグはニクズクという常緑樹に実ります。その実からはメースとナツメグの2種類のスパイスが生産されます。

元々は上品な香りのするメースの方が高価で人気がありましたが、時代とともにナツメグの強い香りが広く好まれるようになりました。

ナツメグの強い芳香は、ナツメグの持つ強い力そのものを表していると言えるでしょう。

ナツメグの語源は「ムスクの香りがする豆」を意味する、古プロヴァンス語の「notz muscada」 に由来します。

その甘い芳香から、すりおろしてサシェにしたり、お香として使用されていました。

ヨーロッパの市場にナツメグが登場し始めるのは、12世紀末のことです。

オープンでポジティブなエナジーを持つナツメグですが、歴史上最も悲劇的なスパイスの1つと言われています。

16世紀の初め、ナツメグの生産地であるバンダ諸島は、ナツメグがもたらす利益の独占を望んだオランダによって、一方的な抗争を強いられました。

それは1万5千人だった人口が、1000人にまで激減するほどの苛烈さでした。

その後も、オランダの支配の目を掻い潜るかのようにフランスが苗を持ち出したり、イギリスが密かに取引を取り付けたりと、ナツメグを巡った争いが絶えませんでした。

そのような凄惨な歴史を持つナツメグですが、疫病の予防に効果があるということで、生産地が増えるまでは高値で取引され続けました。

中世ヨーロッパでは、種子の状態のナツメグを厄除けのチャームやアミュレットとして身に付ていました。

また、男性がナツメグの種子を木やシルバーと組み合わせて身に付けることで、女性を惹きつける効果があると信じられていました。

マグワ―トと同じく、ナツメグの効果は非常に強力なため、多くても小さじ一杯程度に使用を留める必要があります。