【薬草学】タイムの効能・魔術的な意味・歴史や神話|魔女学ハーブ辞典

魔女学ハーブ辞典で薬草学を学ぼう!

今回はタイムの効能や魔術的な意味、そしてタイムの歴史や神話などの雑学を紹介します。

タイムの基本情報

タイムの名称・呼称

学名Thymus vulgaris
和名
通称タイム、コモンタイム、ガーデンタイム

タイムの効能・効果

  • 抗菌作用
  • 抗ウィルス作用
  • 殺菌作用
  • 去痰効果
  • 抗炎症作用

タイムの処方

肺の治癒や咳の緩和には、新鮮なタイムティーを朝と夕方の1日2回飲みます。また、沸騰したお湯にタイムの精油を垂らしてスチームを吸引するのも効果的です。

歯茎の腫れや、皮膚炎、水虫の治癒には煎じ薬を使います。

タイムの魔術的意味

ジェンダー女性性
スターサイン牡牛座
プラネット金星
エレメント
対応する神々フレイヤ:北欧神話の愛・豊穣・運命の女神、アフロディーテ:ギリシャ神話の愛と美の女神
マジカルパワー勇気・魅力・女性性・美・金運

タイムの魔術的な使い方

水のエレメントを持つタイムは、治癒や浄化の効果が高いです。また愛や美にまつわる魔法にも効果を発揮します。

健康祈願や治癒のためにタイムを身に付けたり、魔術に使用します。

心身ともに辛い時期には、タイムを身に付けることで勇気や自信を呼び起こしてくれます。

健やかな年を迎えるために、タイムとマジョラム/オレガノを使ったスプリング・クレンジング・バスで、過去の穢れ、痛みや苦しみを洗い流します。

フェアリーと遭遇したいときは、タイムを身に付けましょう。

免責事項|魔女学ハーブ辞典で紹介している内容は、薬用効果や魔術の効果を確約するものではありません。実践される際は自己責任で行ってください。いかなる不利益が生じた際も、当方が責任を負うことはできません。

タイムの歴史や神話

地中海沿岸を原産とするタイムは、ローマ人によってヨーロッパ中に広められたと言われています。その種類は約350にもなります。

小さな楕円形の深緑色の葉を持つタイムは、常緑植物です。春から初夏にかけて、青みがかったピンクの花を咲かせます。

タイムは痛み止めや咳止めとして、古くから広く使用されてきた薬草です。現代においても、タイムの持つ抗菌作用は認められています。

タイムの抗菌作用は現代でも有名ですが、紀元前3000年頃にはシュメール人によってすでにその効果を認められていたと言われています。

名前の由来は諸説があります。そのひとつは、燻蒸を意味するギリシャ語だというものです。古代ギリシャでは、タイムに火を点けてその煙を浄化のために使っていたのがその理由だそうです。

痛み止めの家庭薬として使用される一方で、女性は自身の魅力を上げるために、タイムを髪に飾りました。

古代エジプトでは、ローズマリーとともにミイラを作るのに使用したり、防腐剤として棺桶の中に手向けていました。

ローマの皇帝は毒の対策として、食前にタイムの葉を食べていました。戦の前には、勇気と力のシンボルとして、タイムを兵士に与えていました。

スコットランドのハイランド人は、悪夢を退けるためにタイムのハーブティーを飲んでいました。また、咳止めとして広く使用されてきました。

中世後期から近代ヨーロッパでは、野生のタイムは生えているところは、妖精の支配下にあると信じられていました。

イギリスでは野生のタイムを家に持ち込むことは、家族の病気や死という深刻な不運を招くと言われていました。

そのため、庭に植えるのは人の手が加わった品種改良をしたものだけだったようですが、タイムを庭のグランドカバーにするようになったことから、現代ではこの考えは変わってきたようです。

キリスト教の神話では、幼児のイエスが寝かされていた乾草の中に、タイムがあったと伝えられています。タイムの香りはそのときに得たものなんだそうです。