【おまじない】とんぼ玉は恋が叶う願いの玉?
とんぼ玉を知っていますか?
きれいな模様で装飾された色ガラスの玉ですが、ただのガラス工芸品ではありません。
古今東西を問わず、とんぼ玉は人間にとって魔的な魅力をもった存在でした。昔々の遺物にとどまらないとんぼ玉の神秘性を紹介します。
とんぼ玉はずっと人を魅了してきた?
古代メソポタミアや古代エジプトの時代から装飾品やお守りなどに使われてきたとんぼ玉、その歴史はざっと3500年にわたります。
とんぼ玉が特別な宝玉だった証拠に、製法も守るべきものとして一子相伝の秘伝書が残されました。
とんぼ玉には儀式の道具や貨幣などの役目もあり、世界中に商品として伝わりました。
日本では、勾玉と一緒に古墳の副葬品として発掘されています。8世紀の風土記には、美しい玉のとりことなった男が登場します。
17世紀、ヴェネチア玉に魅せられたアフリカの人々は極楽鳥や貴重な宝石、はては奴隷とひきかえにして七彩の玉を手に入れました。
これがヨーロッパとアフリカの玉貿易です。
とんぼ玉にはパワーがある?
天然石や鉱物には、金運や恋愛運をもたらすパワーストーンの力を宿すと考えられているものがあります。
ではとんぼ玉は?
残念ながらとんぼ玉は人の手で作られた物で、パワーストーンではありません。
でも、天然石では実現できない神秘的な色や模様がほどこされたとんぼ玉は、人工の宝玉として親しまれ、神聖視されてきました。
ガラスは邪悪なものを反射する力をもち、とんぼ玉も古来、魔除けの護符でした。
丸い模様がついた模様をとんぼの複眼に見立てた命名。
炭火やバーナーでガラスを溶かす製法から、とんぼ玉をもつ人には創造力や広い視野、人をひきつけるオーラがもたらされるとされています。
とんぼ玉のお守りで恋愛成就?
神社にお参りするといろいろなお守りと出会いますね。広島県尾道市にある烏須井(うすい)八幡神社には、とんぼ玉のお守りがあります。
「願い玉」「烏須井玉」と呼ばれるとんぼ玉が近年、願いを叶えてくれると大人気です。
この八幡宮はそもそも日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が滞在したと語られる由緒ある神社です。
そして、清浄な水にちなんだ伝説でも知られます。
神様に供えるご神水の井戸を探していたら、臼(うす)の形をしたものが掘り出されて「臼(烏須)井」という名になったとか、
江戸時代の地震で井戸水が出なくなったが神主が祈りを捧げると枯れた井戸から水が湧き出したとか、です。
いまや縁結びや恋愛成就のご利益ある神社として有名です。
願い玉は手作りらしく、色も模様も同じものはないから選ぶところから楽しめます。
それに加えて、願い玉にはおまじないのようなお作法があるようです。
お守りを両手に挟んで神様に願いを託した後、一年間それを持ち歩きます。願いが叶えられた人はお礼を言いに再訪します。
こうしたお作法やお礼参りは参拝者が自主的に行っているもの。
とはいえ、実際に神社に返納されたとんぼ玉のぼうだいな量を見ると、本当に霊験あらたかなのかもと想像できます。
願い玉おそるべし。
とんぼ玉とどう関わればいいの?
現代の作り手は秘伝の技術を再現したり、新しい技法を開発したりして、とんぼ玉の魅力を広げています。
アンティークと共にそれらの作品を鑑賞するもよし、願いをかけるもよし、根付やかんざしなどのアクセサリーで楽しむもよし。
とんぼ玉には人それぞれの愛で方、親しみ方がありますね。