【トートタロット】アテュ 8 調整の意味と解説|Atu VIII Adjustment
調整のメッセージ:
法を頼り進展を見守れば安寧に繋がる
トートタロットの8番のカード、調整「Adjustment」についてその意味や解釈の仕方を紹介します。
調整のカードを引くのは、乱れた均衡を正す必要があるときです。
ギブばかりでもテイクばかりでも人間関係は歪みますし、収入より支出が大きければ生活が破綻します。過剰なものを減らし、不足は補いましょう。
また、トラブルの解決には弁護士などの手を借りる必要性があることを示唆します。信頼できる人に委ね、まずは心の平穏を手に入れましょう。
後ろ暗いことがある人にとっては、是正のために法的措置を取られたりする可能性を表します。
トートタロット:調整
象徴と物語
調整に描かれている女性は正義を司る女神マアトです。男根の象徴でもある魔術師の剣を太ももの間に挟み、つま先立ちでバランスをとっています。
なかなかにセクシーな構図ですが、彼女の口元に浮かぶ笑みは、恍惚ではなく充足。彼女は均衡を保つことに対して、満ち足りた気持ちでいるのです。
仮面は個の排除。主観が入れば正義は歪みを生じ、公正な判断が下せなくなります。正義を行うには客観性が大切なんです。
真理を意味するオストリッチの羽飾りが付いた冠には、天秤を吊るした4本の鎖が繋がっています。
その天秤にはアルファ(始まり)の球体と、オメガ(終わり)の球体がそれぞれ乗せられています。
女神マアトと天秤を取り巻くように描かれた菱形や羽飾りの菱形は、宇宙に繋がるケテル(王冠)のシンボルです。
玉座は球体と角錐で出来ていて、繊細なバランスの上に成り立っています。
配色やレイアウトなど、上下左右に向かってバランスの取れた世界は、思考の青と創造の緑で彩られています。
天秤と鎖の黒は、土星の持つ時間の概念や事象の変化などを意味します。
いたるところに見られる4(4本の角錐、4本の鎖、菱形の4つ角など)は、安定、法、制限などを表します。
これらが表すのは、変化することこそが安定につながるということです。
カードの解説
鷹揚に構えて進展を待つべし
このカードは一見穏やかな空気が流れているように見えますが、実は理想を実現させたいという強いパワーを秘めています。
想像してみてください。カードに描かれた球体が全て自転しているところを。もしかしたら角錐もぐるぐる回っているかもしれません。
一瞬でも気を抜いたら、すべてがバラバラに飛んで行ってしまうことでしょう。
けれど、それらをコントロールする渦中の人物は、焦ったり苦悩するどころか満足げな笑みを浮かべています。
このカードは天秤座の加護を受けているため、普通なら辛く苦しい試練となる場合でも、楽しみながら取り組める、強くしなやかな精神力を与えられているんです。
理想を実現するためには、毅然と立ち向かう強さが必要とされます。
でも、追い込んだり追い込まれたりするような状況では、集中することも出来ないでしょう。だから心に余裕を持った方がいいよ!ってことですね。
数字の8を振られた調整は、4の皇帝と同じく物事の安定や維持することを課せられています。
けれど、4の倍数を持つ調整は、物事の安定や維持をするためには、法の力や第三者の力を借りる必要性が出てきたことを表します。
問題の解決や成就するためには人の手が必要になるため、社交性や知性と協調性を保つバランス感覚はとても大切です。これも天秤座の得意とするところですね。
また、部下に仕事を振る管理職の立場や、管理能力なんかも表します。
皇帝と同じく、自らが動くというよりは周囲を動かす立場ですが、命令を下したり率いたりする皇帝と違い、調整の場合は部下を管理したり見守る立場にあります。
裁判への出頭や結婚などの話がまとまることも表します。
基本の意味
正直者が報われる?調整の指す正義とは
自分で事態の収拾を付けたい思っている人には残念なお知らせですが、あなたの手に負えないレベルになってしまっているようです。
信頼できる人、場合によっては弁護士などにお任せしましょう。
審議の一時停止の意味があるので、早急に解決したいことがある人にとってもややガッカリなカードのように思えるかもしれません。
人の力を借りるというのは、決定権が自分の手から離れることを表します。結果が出るのには少し時間が必要なのかもしれません。
調整のカードの影響を受けているときは、物事のバランスを調整して安定させるための変化が起こるときです。
物事の進展や決定が停滞しているように見えても、水面下では確実に変化していますので、心穏やかに見守るのがいいでしょう。
さて、もしあなたに疚しいところがある場合ですが、あなたがやらかしたことを裁かれる可能性を示唆します。例えば、監査が入ったり、訴えられて法廷に呼び出されたり、などなど。
調整の指す正義とは均衡を保つことです。価値に見合わない対価を得ることは、均衡を乱すことになるので、ここでは悪と判断されます。
身に覚えのある人は心しましょう。
また、対等でない人間関係を見直すときでもあります。
人に尽くし過ぎて余計なお世話だと疎まれたり、逆に頼りすぎてクレクレさん(またの名を物乞いさん)と呼ばれたりしていませんか?
こういうことは大抵陰で言われるので、なかなか自覚しにくいものです。健やかな人間関係を保つためにも、自分自身の行いを振り返って意識変革を促しましょう。