【トートタロット】カップの女王の意味と解説|Queen of Cups
カップの女王:
心穏やかに他者を受容し投影する者
トートタロットのコートカード、カップの女王「Queen of Cups」についてその意味や解釈の仕方を紹介します。
カップの女王は、人の機敏に敏感で繊細な心を持つことを表します。
穏やかで人当たりもいいですが、場合によっては無口キャラやボッチの場合もあります。
他人といると疲れやすいだけで、人嫌いではありません。友好的な相手には友好的に接してくれます。
人の影響を大きく受けるタイプなので、付き合う人物には気をつけた方がいいでしょう。
過度の受容の性質は他者を依存させることが多々あるので、程よい距離感を見つけることが課題です。
トートタロット:カップの女王
象徴と物語
光が曲線を描きながら、カップの女王を覆い隠しています。光のベールで曖昧になった彼女の顔は、水面では完全にぼやけています。
カップの女王は巻貝のような形の聖杯を抱えています。
聖杯を満たしているのは命を育む水、羊水です。その巻貝からは、蟹座のシンボルのザリガニが姿を現しています。
水面に映る聖杯からは、白く輝く月が出でようとしています。
右手にはイシスのシンボルである蓮の花を持っています。
水面にも2つの蓮が花開いています。これらの蓮の数はビナー(理解)を表し、カップの女王が成熟した女性であることを表します。
蓮を持つ手で女王はトキを引き寄せています。トキは知恵の神であり月の神でもあるトート神のシンボルです。
水面に映るトキは女王の手に掴まれ、完全に制御下に置かれています。これは感情が知性を完全に抑え込んでいることを表します。
女王の背後には、大きな月が燦々と輝いています。月の手前には黄金の蟹が10本の足を広げています。
カードの解説
映し鏡
カップの女王は水の中の水を表します。水の中の火であるカップの騎士を海とするなら、カップの女王は池です。
水溜まりよりは大きいけれど湖よりは小さい、泉のように水が湧き出ることがなく、海のように引いたり寄せたりしません。
自然に溜まった大きな水溜まり。自ら動くことはなく、常に受け身。それがカップの女王です。
カードの中で、女王の顔は光のベールに覆われてみることができません。それは水面に映った彼女の顔も同様です。
人を映し出す鏡である女王は、自我が薄いため、顔を持たないのです。そしてそのわずかな自我は、ベールによって保護されているので、暴くことができません。
鏡である彼女は、混ざり物のない相手の心を映すことができます。そしてそれを糧にして、心を揺らし、まるでそれが自発的に生まれた感情のように取り扱います。
ではもしその鏡が曇っていたら?ひびが入ったり歪に歪んでいたらどうなるのでしょう。それがカップの女王が持つ恐ろしい部分と言えるでしょう。
月の影響を大きく受けるこのカードは、人の本質・潜在意識・裏の顔を映し出す鏡でもあるので、相対する相手によっては恐れを抱かせることもあるでしょう。
知性を表すトキを、水面の女王は完全に制御下に置いています。彼女にとって世の理や理論は価値がないものの代表ということです。
感情で受け止め、感情で考察し、感情で応答する。そしてその感情さえ自発的に生まれたものではなく、他者を映したものなのです。
聖杯から這い出るザリガニと月に前にいる蟹は蟹座のシンボルで、それが指すのは家庭や愛情です。
基本の意味
人物を表す場合
カップの女王が表すペルソナは、年上の女性、または既婚女性です。穏やかで思いやりがある母性の強い人物です。繊細でどこか少女めいた雰囲気を持ちます。
優しく話を聞いてくれて、欲しい言葉をくれる人なので、性別を問わず多くの人を惹きつけます。
言動は常に相手ありきで自分を持たない、あるいは奥底に隠しているため、犬好きの人には犬派に、猫好きの人には猫派のように映ります。
相手によって言うことが変わるので、信用ならないと感じる人もいるでしょう。
けれど、それは相手が望んでいる言葉を適切に選んでいるだけなので、基本的には悪気はありませんし、本人には偽っているという認識もありません。
ただし、誰かの願いを叶えるために、人を陥れる危険な一面を持つので、そこに第三者の思惑が絡んでいるときは注意が必要です。
周囲に合わせて溶け込むため分かりにくいですが、道徳観念や倫理観念が薄く、付き合う人物を間違えるとやすやすと道を踏み外してしまう性質を持つ人です。
また、この人物は本質が見えてこないので、底知れない印象を受け取った人は、ある種の恐れを抱くことになります。
母性が強く、付き合う相手を守り尽くしたいタイプなので、夢を語るダメンズなどに引っかかりやすいです。
育った環境や周囲の人たちによって、人生が大きく左右されるタイプと言えます。
この人物と相対する必要がある場合、感情に訴えるのが最も効果が高いです。理論整然と語るより、こうしてくれたら助かるし嬉しいと頼ると、手を貸りやすいです。
自我が弱いことで不安定な面が強調されていますが、基本的には穏やかで優しい人です。
本人や環境を表す場合
物事に対して消極的になりすぎていませんか?たとえ借り物の言葉でも、それを選んだのは自分自身です。もっと自信を持ってもいいんです。
困っている人がいたら助けたいと思うのは自然なことですが、その人は本当に助けが必要なのでしょうか?
あなたを利用とする人には毅然とした態度で断ることも必要です。周囲に参考になる人はいませんか?
あなたの頼みを嫌だという人はあまりいないので、自分では無理だと感じたら人を頼りましょう。頼られたことを喜ぶ人も多いはずです。
ときにはペルソナをすべて取り去って、空になる時間をとりましょう。人の機敏に聡いあなたは、自分で思っているより疲れているかもしれません。