【トートタロット】アテュ 16 塔の意味と解説|Atu XVI The Tower
塔のメッセージ:
環境の変化に適応したら争いは避けられる
トートタロットの16番のカード、塔「The Tower」についてその意味や解釈の仕方を紹介します。
塔のカードは、古い価値観が新しい価値観に上書きされる時がきたということを示唆します。
古い価値観を持つ人にとっては受け入れがたいこともあるため、口論などに発展しやすいです。
よりよい環境のために必要なプロセスではありますが、穏便に事を進めるには忍耐力が試されそうです。
あなたが変化に直面する場合は、思いきって新しいことを受け入れましょう。
そのことで多少の痛みを受けることになるかもしれませんが、引き伸ばせばその分痛みが大きくなるだけです。
トートタロット:塔
象徴と物語
塔はマルクト(王国)を表すと同時に、古い価値観や権威主義を表します。塔のカードに描かれているのは、新たな時代を迎えるために塔が象徴するものを破壊する様子です。
カードの下部に描かれた口はディス神(またの名をプルートー)、ローマ神話における冥界を司る神のもので、口を意味するヘブライ文字ぺーと火星を表します。
ディスの口から発せられた9本の炎が、塔を破壊しています。9はイエソド(基礎)を指します。これは破壊が新たな世界の基礎を築くためであることを表します。
塔からは4体の衛兵が投げ出されていますが、これは塔が象徴する組みあがった仕組みからの解放を表します。
ところが、古い価値観に囚われていた衛兵たちは、開放とともに存在意義を失い人としての姿を保つことが出来ず、幾何学模様のようになっています。
カードの上部に描かれた眼は、まやかしを見破るホルスの眼であり、破壊と再生を司るシヴァ神の眼です。
眼から放たれた光線の数(27本)は、塔のカードに対応する生命の木のパスを指します。
カードの右上に描かれた蛇は、選ばれし者を天国に連れて行く存在と言われるアブラクサスです。オリーブの枝を加えた鳩は、平和の象徴です。
カードの解説
夜明け前のひと騒動
「死神」「悪魔」に続き、トートタロットにおける3大凶札と恐れられる「塔」のカードです。絵面の禍々しさが半端ないですね!
新しい風を呼び込むには古い価値観を変えなくてはいけない。とはいえ、今日からブランニュー価値観!なんて、簡単に考え方を変えられる人なんてそういないですよね。
それがどれほどみみっちい権力や名声でも、手放したくない!ってしがみついちゃうのも人の性というもの。それが大きければなおのこと。
塔のカードには、変容の為に起こりえる闘争の様子が描かれているんです。
塔をぶち壊すくらいのパワーがないと取り除けない、頑固な汚れのごとき因習やしがらみがこびりついているということです。わぁ怖い!
禍々しく見えるカードですが、必要な浄化作用なんですね。
そしてカードには、破壊のあとには再生が訪れるという希望も描かれています。争いの後には、よりよい環境ができるということです。
いわゆる雨降って地固まるというやつですね。
カードの雰囲気や色から明らかに火星の影響があるのが分かりますね。力強いエナジーが満ち満ちています。
こんなに暑苦しい色なのに、火と水の両方の属性を備えています。行動するときは感情を考慮せよとというメッセージのようですね。
火と水の2属性を持つため、塔のカードは他のカードの影響を受けにくいです。ある意味、安定の破壊力ということでしょうか。
けれど与えられた数字は6(16-10=6)。この破壊が調和と安定を生むためのものだということです。
基本の意味
口撃注意報!
塔のカードを引くときは、環境ががらりと変わる必要があるときです。もしあなたが環境の変化に対応を求められているなら、感情的にならないように心がけるといい結果に繋がります。
残念なことに、あなたがこだわってきたことに周囲はもはや価値を見出していません。変化を受け入れるのは恐ろしいかもしれませんが、腹をくくりましょう。
はじめは大変かもしれませんが、人は慣れるものです。新しい幕開けを寿くことで、さくっと周囲に同調してしまいましょう。その方が後々手助けを得やすくなります。
また、このカードには物事の表層ではなく、本質を見極めることの大切さも示唆しています。
例え相手の態度が悪くても、その指し示すものを理解出来たら、あっさり相手の主張を受け入れられるかもしれません。
あなたが周囲に変化を求める立場の場合、相手の立場をしっかりと受け止め理解することで話が進みやすくなります。
塔から投げ出された4人を見てください。あれは変化によって、自分たちが不要だと言われることへの恐れです。
そのへんのことを察することができれば、口から火を吐かずにすむかもしれません。
カードに描かれたように、あなたまでバイオレンスを演じる必要はありません。あくまでそのくらいの心意気で挑む必要があるということです。
逆に相手を慮るばかりに言いたいことが言えないでいる場合「思いきって言っちゃいなよ!喧嘩になるかもしれないけど、負けないで!」とカードは背中を押してくれています。
我を通すのではなく、よりよい環境を目指すことにフォーカスするといいですよ。