【トートタロット】1 魔術師の意味と解説:能力を駆使して夢を実現に導く!
トートタロットの2枚目のカード、魔術師「The Magus」についてその意味や解釈の仕方を紹介します。
魔術師が表すのは知恵と言葉です。優れた洞察力と理解力で、夢の実現に必要な道筋を冷静に見定めます。そして高いコミュニケーション能力を駆使して、望ましい道筋に物事を導きます。
状況によっては、変化球を投げることができる器用さも求められるかもしれません。
誠実さが求められる場面では、賢しさが逆効果になることもあります。真摯に学ぶ姿勢を心がけましょう。

The Magus
トートタロット:魔術師

象徴と物語
カードの中央には神のメッセンジャーであるヘルメスを象った、黄金に輝く魔術師が描かれています。
8つのツールを巧みに操りジャグリングしています。
これらのツールのうち、4つはそれぞれワンド(情熱)、カップ(感受性)、ソード(知恵)、ディスク(物質)を表しています。
能力に自信があるのでしょう、魔術師の顔には余裕の笑みが浮かんでいます。あるいは観客への余裕ぶったパフォーマンスでしょうか。
目線はツールを投げる自身の右手、あるいはその向こう側に向けられています。まるでツールの効果的な使い道や、得られる結果について考えているようです。
魔術師には性別がありません。そのため男性性と女性性の持つ能力の両方を持っています。またそれは白黒や清濁を併せのむ懐の深さも表しています。
カドゥケウスと呼ばれるヘルメスの杖が、カードの天地を貫くようにして魔術師の背後に配置されています。これは神の言葉が雷のように地上に到達することを表しています。
カードの右下にはトート神の使いである猿が描かれています。
この猿はいたずら好きで、話しを歪ませることを得意としています。これは、神のメッセンジャーである魔術師が、メッセージを正しく伝える保証がないことを示唆しています。
魔術師がイリュージョニストや詐欺師と呼ばれるのは、他者を感化して誘導することに楽しみを覚えたり、目的を達成するためには多少の偽りはやむを得ないという姿勢を持つためです。
カードの解説
河の流れのように?いいえ、流れは水路で都合よく調整するものです
魔術師に振られた番号は1です。ゼロを割り当てられた愚者と1の魔術師は、どちらも夢を形にすることに関しているところがよく似ています。
ですが、両者には決定的な違いがあります。0の愚者が無なら1の魔術師は有。魔術師は夢の実現に向けての一歩を踏み出したことを表します。
愚者が荒ぶるアイディア製造機であるのに対して、魔術師は次の段階である査定及び実行推進を担います。
愚者の発案を実現可能にするための道筋を見定め、実現へ導くことが魔術師に課せられた使命なんですね。
魔術師の影響下にあるときは、情報収集力、査定能力、そして中でも伝達能力が高まっている、あるいは必要とされるときです。
困難な状況になっても冷静さを失わず、余裕の笑みを浮かべましょう。なぜって、魔術師は偉大なイリュージョニストですもの。
たとえそれがフェイクでもいいんです。大切なのは、はったりをかませるだけの余裕を持つこと。
周囲を魅せることができれば、あなたの思うがままに事は運ぶことでしょう。
基本の意味
裏の裏は表!策士策に溺れることなかれ
何かしらことを為そうとするとき、あなたはどうしますか?
まずは情報を集めるところから始めるのが、スタンダードな始め方ではないでしょうか。
いきなり各種機関や有力人物に賄賂を送りつけたりはしないかと思います。ですが事を為すためには、ときに邪道を行く必要だってあるはずです。
例えば、囚われの姫を助けるためには、隊列を組んで正面突破するのが最善策とは限りません。
使用人に変装して裏口から侵入するような、相手の裏をかく変化球の方が効果的な場合もあります。
状況を見極め、臨機応変に対応する器用さを持ちましょう。
ですが、善悪の判断力まで無くさないように気を付けて。安易な判断は、のちのちあなたの足を引っ張ることにならないとも限りません。
また、場合によっては誠実な対応を求められるときもあります。そういった場面で策を弄するのは愚策です。
魔術師の影響を受けているときは、コミュニケーション能力がとても高くなっています。
そのため策を弄しがちになるのですが、変化球ではなくストレートにど真ん中を狙った方が効果的なときもあることを忘れないで。
もしトリッキーな変化球を投げている自覚があるなら、いったん気持ちをリセットして、ストレートを投げてみるのも一つの策です。
物事が思うように進んでいないと感じても、俯瞰的な視点で冷静に判断しましょう。
問題にどのように向き合うべきか、解決に必要なことは何か、何か学ぶべきことはないか、問いかけましょう。
魔術師の力はあなたの知識と経験に大いに依存しています。そのため足りない情報は積極的に収集しましょう。
また「魅せる」というのが魔術師のやり方です。
強引な力技で押すのではなく、相手が望むものをちらつかせて誘いこむように導きましょう。
サンプルリーディング
人間関係
貸したお金を返してもらいたい
友達(A)にお金を貸したのに、約束の期日までに返してもらえなかった。LINEで連絡したけど既読もつかない。どうすれば返してもらえる?
そんな質問への回答に「魔術師」を引いた場合のサンプルリーディングです。
もしかしたらAさんは忙しくて約束の期日をうっかり忘れていたり、後回しにしているだけかもしれません。現時点では、返す気が全くないと断言することはできません。
ですが人の心は移ろうもので、時間が経つほどに返してもらえる確率は下がっていくことでしょう。
今回は正攻法でAさんを促すよりも、少しばかりクレバーに立ち回ったほうがいいようです。
例えば全くの別件で呼び出すのも手です。Aさんが興味を持っていることをネタにすると、案外あっさり連絡が取れるかもしれません。
また、共通の友人がいるならその人に間に入ってもらうのもいいでしょう。
その場合、お金の受け渡しは必ずご自身で行ってください。「渡した」「貰ってない」などの、別のトラブルが浮上しては本末転倒です。
共通の友人に呼び出してもらって、そこに合流するというのがいいかもしれません。
追い込むような取り立て方はではなく、あくまでAさんを誘い出す方向で進めるのがポイントです。
ひとつ気を付けたいのは、期日に遅れたことや連絡が取れなかったことでAさんを責めないことです。
あなた自身に「がめつい」という残念な評価が付いてしまう可能性があります。
忙しかったから仕方ない、誰でもうっかりすることはあると、内心はどうあれ軽く受け流しましょう。
それよりも、会えてうれしい、連絡が取れてうれしいなど、ポジティブな感情で迎えましょう。