【トートタロット】12 吊られた男の意味と解説:抑圧された視野を広げれば道は見える

トートタロットの13枚目のカード、吊られた男(または吊るし人)「The Hanged Man」についてその意味や解釈の仕方を紹介します。

吊られた男は、あなたの抱える悩みや問題に対する解決策があることをあらわします。

けれど、その過程において精神的な苦痛を体験する可能性があるかもしれません。なぜならあなたを取り巻く環境や、物事の本質はそのまま変わることはないからです。

現状を打破するには、あなた自身が受け止め方を変える必要があります。適切な人に相談することなど、視野を広げるきっかけを探しましょう。

また、傍観や自己犠牲など、あなたの態度を戒める意味も持ちます。

トートタロット アテュ12 The Hanged Man
トートタロット
吊られた男
The Hanged Man

トートタロット:吊られた男

トートタロットの意味と解釈|吊るし人

象徴と物語

カードの中央に描かれているのは、アデット(熟練の技術を持つ者)です。

アデットはケテル(王冠)から吊り下げられたエジプシャン・アンクに左足を掛けて吊り下げられています。

その左足には変容の蛇が2重に巻き付いています。蛇の状態と配置から、この蛇はコクマー(知恵)を表します。

アデットの両手と右足は緑のディスクに打ち付けられています。

このディスクの色とカード上部の緑は、ネツァク(勝利)の金星の色で、そこに愛と希望があることを示唆します。

カード上部の白い光はケテル(王冠)から放たれた、インスピレーションです。

身動きすることはできませんが、悲観したり焦る様子は見られません。むしろ堂に入った様子です。

十字を描く足と三角を描く両手は、救済の光を闇にもたらすことを示唆しています。

また三角は発展を意味し、その上の両脚は、皇帝と同じく安定と維持を表す数字の4を描いてもいます。

背景の青い格子柄は、すべての自然の力の名前と印章を表すものです。

マルクト(王国)のあるカード下部には、夜空の女神ヌイトの子宮を表す黒い半月型が描かれ、その中には変容の蛇がいます。

蛇は四連の輪を描くように身体をうねらせています。

カードの解説

星空の遺産を知覚し周知せよ

一般的なタロットにおいて吊られた男(または吊るし人)は、自己犠牲や罪を贖うという意味を持ちます。

けれど、トートタロットにおいては、救済、または復活の意味を持ちます。

クロウリー曰く、自己犠牲という考え方は非生産的で、そもそも返済すべき負債など持たないのだから、贖いという考え方は間違っているのだそうです。

「すべての星は無限の富を持っている」

そこには、人は生まれながらに罪を持つというキリスト教的な思想からの脱却が反映されているのでしょう。

そのためこのカードには、「救済の光をもたらす」という使命が与えられています。

カードに描かれているのは逆さ吊りにされて打ち付けられた人という、不穏なイメージです。にもかかわらず、全体的に穏やかで優しい色合いなのは、そこに希望があるからです。

吊られた男に対応するヘブライ文字はメムで水の意味を持ちます。タロットにおいて水は感情を表しますので、救済を得るには心の持ちようが鍵となります。

また、逆さ吊りは「天地が逆=本来あるべき姿ではない状態」です。

足首と頭の下に配された蛇は、自身が置かれた状況を正しく理解して、認識を改めることの必要性を説いています。

このカードは、インスピレーション・想像力を司る海王星の加護を受けます。海王星は魚座の支配星なので、奉仕の精神や純粋で優しい性質を持っています。

相手の苦しみを想像できてしまうからこそ、つい自己犠牲に走ってしまうのでしょう。でも、それは本当の救いとなるのでしょうか?

カードに与えられた数字は2(12-10=2)。周囲との調和と協力、また状況に適応する力を持つことを表します。一人で悩まないで、もっと周囲を頼ってもいいんです。

基本の意味

気付きが風景を一変させる

吊られた男のカードは、救いがあるという意味を持ちます。ということは、現在救済が必要な状態だったり、これから救済が必要な状況になるということです。

場合によっては身動きをとれないくらい切迫した状況だったり、精神的な苦痛を伴う困難に直面しているのかもしれません。

誰しも辛く苦しい状況下にいるときは、思考力や行動力が低下してしまうものです。そういうときは信頼できる人に相談してみましょう。

相談することが直接的に解決に結びつくとは限りませんが、話を聞いてもらうだけでも心の負担は軽くなるものです。

それに心痛を減らすことで、本来あなたが持つ思考力と行動力を回復できます。また、人と話すことは視野を広げるいいきっかけにもなります。

カードには困難から脱却する方法はあると出ています。まずは心を落ち着けて、本来のあなたの能力を取り戻しましょう。

また、このカードは自己陶酔を戒める意味も持ちます。

誰かの為に奉仕する精神を持つことは素晴らしいですが、今はそれが仇となって問題を大きくしたり、不要な苦痛を受けることに繋がっています。

自分さえ我慢すればすべて上手くいく。そんな自己犠牲の精神で物事に対応していませんか?

もしそうなら、考えを改める必要があります。

サンプルリーディング

進路

大学に進学するのを親にサポートしてもらいたい

大学に行きたいけど、経済的に無理だからあきらめて欲しいと言われました。現在大学生の兄と私の下に弟がいます。弟の進学は必要だけど、女の私は学歴が低くても問題ないから我慢してと言われました。

そんな質問への回答に「吊られた男」を引いた場合のサンプルリーディングです。


進学希望を出す際に、親からサポートはできないと言われたら不安になってしまいますよね。

そのうえ、あなたにはあきらめるようにと言いながら、他の兄弟はサポートするという状況は不公平です。だから、あなたが憤りを感じてしまうのも当然のことだと思います。

吊られた男のカードは、普通じゃない状況によって、あなたの思考力や行動力が制限されていることを示唆します。

それとともに、解決策や救済措置は必ずあるので希望を捨てないで、ということも教えてくれています。

ただそのためには、あなたが精神的に成長して視野を広げる必要があるようです。またそれを受け止めるのは、痛みを伴うかもしれません。

あなたの進学を本当の意味で妨げているものはなんなのでしょう。まずはそれを知る必要があります。

ご両親は経済的な理由と、女性の学歴に対する古い考えを理由にされています。残念ですが、おそらくこれを変えるのは難しいでしょう。

そこに固執して何とかしようとするよりも、「そういうものだ」と心に折り合いを付けて、あなたにとってベストな他の道を探すほうが建設的です。

それを為すには強い心の痛みを伴うことでしょう。

ですが、そんな親の勝手な都合を恨んで兄弟を羨む時間を過ごすことに、どれほどの価値があるでしょうか?

今のあなたは、怒りと悲しみに心が弱っていることでしょう。そのせいで狭くなってしまった視野を広げることからはじめてみませんか?

例えば、日本ではまだまだ親が大学までの教育費を準備するのが主流ですが、欧米では本人が奨学金を借りて返済するのが主流です。

なんでも欧米化すればいいというものではありませんが、自立の面から見て、自分で学費を負担するのは悪いことではないでしょう。

日本でも自分でローンを組んで、卒業後に学費を返済している学生さんもいます。

セミナーや知人を通して、そういう人のお話を聞ける機会を持つことはできませんか?きっと、あなたにとってプラスの影響になるはずです。

両親のせいで進学できなかったと恨む未来より、おかげで自分の力で頑張れたと胸を張る未来の方が、ずっと輝いて見えませんか?

遅かれ早かれ、いずれは親の庇護下から巣立つ時が来るのです。それが少し早く来たと、前向きにとらえて、自分自身の可能性を模索することに意識を向けましょう。