【トートタロット】アテュ 4 皇帝の意味と解説|Atu IV The Emperor
皇帝のメッセージ:
リーダーシップを発揮して発展に挑む
トートタロットの4番のカード、皇帝「The Emperor」についてその意味や解釈の仕方を紹介します。
皇帝が表すのは安定と繁栄です。新たに築いたものを維持しつつ、発展させることがあなたに課せられた義務です。
周囲を導くために、決断力と強いリーダーシップが求められます。ときには熟考が必要な場面もあります。短慮な行動に気をつけましょう。
このカードの影響を受けているときは、大局を見て判断する聡明さが必要です。守備を固めるべきか、攻撃に打って出るべきか、しっかり見極めましょう。
トートタロット:皇帝
象徴と物語
皇帝は(カード内には描かれていませんが)女帝と向かい合わせに玉座に座っています。女帝と同じく勤勉のシンボルである蜜蜂の刺繍がされた服をきています。
女帝はまだ見ぬ赤子を抱いていますが、皇帝はマルタ十字が付いたオーブを持っています。これは女帝が夢見たものを、皇帝は手に入れたのでしょう。
反対の手には牡羊の頭の飾りが付いた王尺を持っています。その玉座には牡羊の頭が飾られています。
牡羊はヒマラヤの野生の羊です。行動力があり、素早く、孤高を愛しますが、群れると途端に臆病になる性質を持ちます。
また、牡羊座のシンボルでもあります。
足は皇帝のカードの番号である4を描き、地ならしが済んで発展のための土台が完成したこと、そして皇帝に課せられた使命が「安定と繁栄」であることを表しています。
皇帝のポーズは錬金術的に硫黄を表します。これは女司祭の水銀とは相反するものですが、女帝の塩と合わせることで結合します。
足元の盾も女帝と対になっています。女帝の盾が銀と月を表すのに対して、皇帝の盾は金と太陽を表します。
盾の反対側には白旗を持つ子羊がいます。これは皇帝が守り導くべき存在、民衆を表します。
カード全体を彩る赤と金は、太陽と火星の影響を受けていることを表します。
皇帝の背後から差し込む白い光は、創造の力が組織力に届くことを表します。
カードの解説
風林火山に学ぶべし!
カードに4番を振られた皇帝は、安定と繁栄のために人々を導くというハッキリとした使命を持ちます。
発展や拡大のための努力が実を結ぶときですので、温めてきた計画や育ててきた企画など実行に移すとよいでしょう。
これまでの試みや積み重ねを軸に新事業を設立したり、拡大するのに最適の時です。
悩みや問題などを解決するための決断にも適した時期です。明るい未来を思い描くことで、皇帝の力の恩恵が増すことになります。
また、このカードは組織にも深い繋がりがあります。
例えば職場でチームを率いる立場であったり、部活でキャプテンをしていたり、家族の大黒柱であったりと、グループを率いる立場にいることでしょう。
このカードを引いたときに求められるのは、強いリーダーシップと決断力です。大局を見極めてさくっと決断する潔さが必要です。
赤々としたカードからは、そこにはとてつもない情熱とか、エネルギーだとか、精神力が秘められているのが伺えます。
人を導いたり率いるにはそれだけの力が必要ってことなんでしょうね。
そしてこの赤は、闘争を意味する火星の影響を受けていることも表します。強引に物事を進めたり、人を従えたりと、傲慢な態度をとらないよう注意しましょう。
皇帝のカードを引いたときの心得としては、
- 疾きこと風の如くサクッと決断し
- 徐かなること林の如く機会を呼び寄せ
- 侵し掠めること火の如く果敢に押し
- 動かざること山の如く動じない
そんな感じが理想です。
基本の意味
先頭に立つ王、後方に構える王、選ぶのはあなた
皇帝のカードの意味を見て「リーダーシップとかないわー、ムリムリ!」って思う人もいるかもしれません。
表立って人を率いるのが苦手なら、それができる人にお任せするのも手です。適材適所の采配を振るうことで、上手く回しましょう。
自らは動かず人を上手く使うことも、権力者のお仕事です。
けれど、あなたは責任者ですから、問題が起きたときはあなたの責任になることを忘れずに。
このカードの面白いところは、とてもパワフルなエネルギーを秘めているにもかかわらず、受動のしばりを受けていことでしょう。
例えば数字の4は安定や定着という動かない物を表し、女性=受容を表す偶数でもあります。
皇帝には釣り針を表すヘブライ文字「ツァダイ」があてられていますが、これも動かないことを暗喩しています。
むやみに自分から動き回る必要はないということです。どちらかというと、人を動かすための決断や指示出しが求められていると考えていいでしょう。
その方法が、先頭に立って人を率いるか、後方から指示を出すかの違いなんですね。
また、皇帝のカードは、大局を見据えるばかりに細部に目が行き届かないことも表します。
決断力が鈍ってしまうので、考えすぎもよくないのですが、最終チェックは怠らないようにしましょう。