【トートタロット】アテュ 9 隠者の意味と解説|Atu IX The Hermit

9 The Hermit: 隠者
The Hermit: 隠者

隠者のメッセージ:
独り立つ強さと許容力があなたを導く

トートタロットの9番のカード、隠者「The Hermit」についてその意味や解釈の仕方を紹介します。

隠者が表すのは叡智と探究です。問題に向き合い内省したり自己研鑽するために、いったん世俗から退いて一人になる必要性があるのでしょう。

あるいは自己の探究心を満たしたいだけかもしれません。そのせいで、社交を面倒に感じてしまっているなら、そのことへの忠告となります。

目標を高く掲げるのは素晴らしいことですが、完全無欠を求めるのは不毛です。

まずはベータ版を作って、徐々にアップグレードするくらいの気持ちで取り組むくらいでちょうどよさそうです。

トートタロット:隠者

トートタロットの意味と解釈|隠者

象徴と物語

カードに老人として描かれた隠者は、恋人のカードに描かれていた祝福を与える人物と同一人物で、ヘルメスの姿の一つです。

隠者は「手」を意味するヘブライ文字のヨッドを与えられていて、隠者自身がヨッドのポーズを取っています。

ヨッドは神の名を表わす「神聖四文字」の最初の一字で、それは父であり、種子であり、精子を意味します。

隠者は輝く太陽を収めたランプを手に持っています。これは愚者のルートチャクラ(ズバリ股間)に輝いていた太陽で、創造力の象徴です。

これはまた、叡智の光が混沌の闇に届くことを表します。

背景には青々と麦が実り、隠者の叡智がもたらす豊穣を示唆しています。カードに対応するおとめ座は、それが刈り入れどきである事を表します。

にもかかわらず、隠者はオルフェウスの卵だけを見つめています。叡智の根源である彼にとって、世界は色あせて見えているからです。

この卵は宇宙への繋がりを、蛇は変容を表しますが、だからこそ隠者はそれに惹かれるのでしょう。

クロウリーは「彼は創造的であるだけでなく、宇宙の生命が存在する光の流動的な本質でもある」と、トートの書に記しています。

隠者に付き添うのは地獄の番犬ケルベロスです。ケルベロスの3つの頭はそれぞれ、保存、再生、霊化と、死後の魂が巡る道程を表しています。

一頭は前方を、もう一頭は後方を見張っていますが、残りの一頭は精子の形をしたホムンクルスに意識を向けています。これは好奇心と警戒心を表します。

カードの解説

我、生産的な引きこもりライフをエンジョイする者

隠者と聞くと、イコール「世捨て人」や「排他的」というイメージが浮かびます。

中世風に例えるなら、王宮での権力争いや、人間の醜い姿にうんざりして山奥に引きこもってしまった。そんなイメージです。

けれど、隠者とは知恵の源のような存在です。そのため、彼の言葉を聞くために多くの人が彼のもとに訪れます。どんな山奥に引きこもっていたって、それは関係ありません。

ただし訪ねてきた人の話を聞くか否かは、隠者様次第ということです。

大切な自分の時間を割くのを厭ったり、そもそも人に会うこと自体がいや~という場合もあれば、知識を共有することに喜びを見出す隠者もいるわけです。

さて、隠者とはそもそも賢者のことです。とても賢い人です。そして賢い人というのは、得てして更なる知識を求める探究心が強いものです。

隠者に与えられた数字の9は、バラバラだった物事を総和して、完成や終わりに向かうことを表します。9は奇数なので、完成に向けて自ら行動を起こす力を持っています。

加えて、隠者はおとめ座の影響を受けますので、完璧主義なところがあります。

隠者にとって寝食を忘れて内省と研鑽を重ねることは、もはや日常の一部(いや、むしろ全部)なのです。

そういったことから、隠者のカードを引いたときは、目標の達成や問題解決には一人の時間を持つ必要があることを表します。

人の手を借りずに取り組まなくてはならない課題がそこにはあるのでしょう。

また、隠者には、人を癒し導く指導者としての資質や奉仕の精神が備わっています。

隠者は導き手であることから、周囲のもめごとに巻き込まれやすく、結果的に世俗を厭うことになってしまいやすいのです。

基本の意味

ボッチスキーノでは終わらせない心構えが鍵

隠者を端的に表すなら、「導き手」と「探究者」という言葉がふさわしいでしょう。

あなた自身が「導き手」の役を負うのかもしれませんし、「導き手」を求めているのかもしれません。

あなたが導き手である場合、相手にあなたと同等のレベルを期待しないように心がけたほうがいいでしょう。

誰しもがあなたのように理解力があるわけではありません。過度の期待は相手を委縮させてしまいかねませんし、結果的に大きな失望を味わうことに繋がります。

なるべくフラットな感情を保つように意識しましょう。

「導き手」を求めている場合、当てはまる人物がいるなら、その人の言葉に耳を傾けましょう。

そうでない場合は自分自身の力で乗り越えなくてはいけませんが、隠者にはそれを可能にする力が与えられていますので、恐れずに取り組みましょう。

「探究者」が前面に出ている場合、探究に没頭するあまり、その他のことがおろそかにならないように心がけましょう。

人間関係、生活スタイル、雑務など、放置しすぎると、後で痛い目にあいます。

また、隠者は世俗を厭うときにも引き当てやすいカードです。一人になることが必要な時期かもしれませんが、頑なに人を排する態度は改める必要があるでしょう。

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