【トートタロット】アテュ 13 死神の意味と解説|Atu XIII Death
死神のメッセージ:
未練を断ち切る潔さが運気を上げる
トートタロットの13番のカード、死神「Death」について、その意味や解釈の仕方を紹介します。
死神のカードを引くときは、あなたが望もうと望むまいと、何かが終わりを迎えるときです。
不要となってしまったことを浄化し、新たな運気を呼び込むためのための自浄作用の過程を表しています。
思い切って手放すことが開運に繋がります。
また、過去に執着する気持ちを諫める意味も持ちます。
過去のものには思い出補正がかかるため、本来の価値以上に輝いて見えているのではないですか?
未練が、あなたの幸せに影を落としています。辛い気持ちはわかりますが、潔く手放すことが肝心です。
トートタロット:死神
象徴と物語
死神のカードにはオシリスの冠を被り、大鎌を振るって踊る黒い死神が描かれています。
死神の黒はビナー(理解)に対応する土星の色を表し、死神の両脚はその土星に対応する「タウ」の形を描いています。
死神の大鎌は不要になった古いしがらみを断ち切り、再生のために姿を変えつつある魂を解き放ちます。
カードの左上部には鷲が、左中央には魚が描かれています。どちらも蠍座を表すシンボルで、右下に描かれた蠍とともに死と再生・新生を意味します。
カードに描かれたストーリーは、死から再生に向かうまでの錬金術の過程です。
その過程で物体は腐敗してガスを生成します。クロウリーは、鷲がこのガスに当たるとトートの書に記しています。
カードは魚を意味するヘブライ文字「ヌン」に対応します。
左下には、変容のシンボルの蛇が描かれています。蛇は魚とともに蘇りのシンボルでもあります。
カードは蠍座の影響を受けます。
蠍座の支配星は昨今では冥王星とされていますが、古典占星術では牡羊座と同じく火星とされていました。
「行動力」「闘争心」の意味を持つ火星であれば、そこには強い衝動や葛藤を伴うことになるでしょう。
冥王星は「死と再生」「無に帰す力」を司りますので、火星よりももっと粛々とサイクルが行使される、抗えないイメージになります。
カードの解説
断捨離して開運しちゃおう!
「死神」のカードは、タロットをよく知らない人から恐れられる3大カードの一枚(他は悪魔と塔)です。
死神(Death)という不吉なタイトルを持つため、仕方ないのかもしれません。ですが、私にとってこのカードは、見る度に「断捨離」という言葉が思い浮かぶカードです。
カードに描かれた死神と、その向こうの魂さんを見てください。めっちゃノリノリじゃないですか?
不要になったものはポイして、じゃんじゃん身軽になろうぜ!という気概を感じます。
不要になった古い物は、運の流れを停滞させます。なのでバッサリ処分することで、新鮮な空気とともに幸運が流れ込むようになるんです。
けれど、そこには一抹の不安や寂しさもあるはずです。今まで傍に「あったもの」が無くなってしまうのですから。
カードに描かれた生き物たち(鷲・魚・蛇・蠍)、そして対応する惑星(冥王星)は、どれも死と再生や変化を表します。
何かが終わって、新しい何かが始まる時なのでしょう。
このカードはビナー(理解)の土星の影響を受けますが、その意味するところは試練です。
不要になったものを手放す。簡単なようでいて、そうはいかないのが人の心ですから、場合によっては辛い思いをすることもあるでしょう。
けれど、この試練に打ち勝って、思い切りよく手放すことで良い流れを得られます。
カードの数字は3(13-10=3)です。これは「次の段階に進む準備ができました」ということを表します。
基本の意味
去るモノ追わずの精神で手放しましょう
死神のカードが意味するのは、事実上の生命活動の停止を意味するものではありません。変容のために淘汰される物事や意識、手放さなければならない人間関係などです。
それは自発的な行動から起こったものかもしれませんし、あなたの手の届かないところで起こったことの結果かもしれません。
どちらの場合も、高次元の視点では予定調和、起こるべくして起こったことです。もし何かを手放さなくてはならないのなら、それは今のあなたには不要なものなのです。
中には現状維持を望む人もいるかもしれません。残念ですがそれは叶わない望みです。
この変容は滞った流れを正すために起こるので、結果的に色々なことが収まるべくところにおさまったり、より良い発展へと繋がります。
しがらみからの解放も意味しますので、人によっては喜ばしいと感じることでしょう。
その逆の場合は、辛い思いを経験することになったり、未練としていつまでも引きずってしまうことも考えられます。
そのためこのカードは、過去に対する未練や妄執を断ち切りましょうというメッセージも持ちます。
その未練は、今を生きることを蔑ろにするほど価値のあるものですか?
あなたにとって本当に必要なもの、価値あるものを再査定する必要があるでしょう。