【薬草学】林檎(りんご)の効能・魔術的な意味・歴史や神話|魔女学ハーブ辞典

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今回は林檎(りんご)の効能や魔術的な意味、そして林檎の歴史や神話などの雑学を紹介します。

林檎(りんご)の基本情報

林檎(りんご)の名称・呼称

学名セイヨウリンゴ:Malus domestica
ワリンゴ:Malus asiatica
和名リンゴ(林檎)
通称林檎(りんご)、アップル、神々の果実、冥府の果実、銀の枝、愛の木

林檎(りんご)の効能・効果

  • 整腸作用
  • 鎮静作用
  • 解毒作用
  • 抗酸化作用
  • 疲労回復作用

林檎(りんご)の処方

便秘の解消には、朝食にりんごを軟らかく煮て温かいうちに煮汁ごと食べます。

胃酸過多の改善には、りんごジュースを飲みます。

風邪を引いたときにりんごを食べるのは、弱った胃の粘膜を守り、消化吸収を助ける効果があるからです。また、解毒作用によって菌の排出を促してくれます。

りんごに含まれるペクチンがコレステロールを下げるため、心臓病の改善に役立ちます。

傷の消毒には、りんごの葉をすりつぶしてガーゼで包み傷口に当てます。

林檎(りんご)の魔術的意味

ジェンダー女性性
エレメント
スターサイン 牡牛座
プラネット金星
対応する神々ゼウス、デュオニソス、アポロ、 インドラ 、ヴィーナス、アテナ、ヘーラー、オルウェン:ウェールズ神話の巨人の娘で太陽の女神、他多数
マジカルパワー愛、婚姻、豊穣、不死、死後、美、知恵、魂

林檎(りんご)の魔術的な使い方

家に祝福を与えるときは、りんごを半分に切って、半分を食べて残りの半分を家の外に置いて供えます。

オリスルート(ニオイアヤメ)とりんごの種を7粒入れた魔法のサシェは、性愛を引き寄せます。

りんごを横からカットすると、種のあるところが五芒星のように見えます。これを収穫祭の祭壇の飾りつけに使用します。

畑に植物を植える前に、りんご酒を注いで大地に祝福を与えます。

りんごの皮を剥いて、その皮を床に落とします。りんごの皮が描いた文字が、未来の恋人のイニシャルです。

免責事項|魔女学ハーブ辞典で紹介している内容は、薬用効果や魔術の効果を確約するものではありません。実践される際は自己責任で行ってください。いかなる不利益が生じた際も、当方が責任を負うことはできません。

林檎(りんご)の歴史や神話

りんごはヨーロッパ各地で自生しています。そのため、りんごにまつわる風習や神話、魔術が多くあり、今も各地で語り継がれています。

古代ローマの博物学者プリニウスの著書で、りんごについて書き記されています。当時すでに22種のりんごが存在していたようです。

現在は2,000種以上の栽培品種があります。

サウィンまたはサヴァン祭(10月31日~11月1日)と呼ばれる夏の終わりと冬の始まりを祝うケルトの祝祭は、収穫祭であり死者の魂が現世に戻ってくる日。

りんごは死者の好む食べ物のひとつだと言われていて、魔女たちはサヴァン祭でりんごを祭壇に捧げます。

また、魂を象徴するりんごを火にくべて再生の春を祝います。

ギリシャ神話で不和と争いを司る女神エリスは、全ての神々が招かれた結婚式に招かれませんでした。

そのことに怒ったエリスは「最も美しい女性に」と書いた黄金のりんごを宴席に投げ入れることで、ヘーラー、アフロディーテ、アテナなどの女神を争わせました。

「不和の林檎」と呼ばれるこの出来事が、後にトロイア戦争を引き起こすことになるのです。

北欧神話のエッダでは、無邪気でお人好しな女神イズンが、神々の永遠の命の源である「黄金の林檎」の管理者だと言われています。

ロキの策略によってイズンが巨人に攫われ、黄金の林檎の木が失われるという事件が起こりました。するとアースガルドの神々が老い始めたのです。

紆余曲折を経て、最終的にはイズンによって黄金の林檎を手渡され、神々はみな若さを取り戻しました。