【魔女になる方法】はじめての魔女学 中級編3:魔術には占星術が欠かせない

「はじめての魔女学・中級編」では、魔術の習得に必要な知識を紹介しています。
今回は占星術について。
前回登場した“賢い女”こと魔女は村人にたいそう頼りにされていて、出産にも産婆として数多く立ち会いました。
そして占星術にも詳しかったはずです。
なぜなら、当時の出産は神秘に満ちた儀式的な場とされ、占星術的な力が求められたからです。
“賢い女”はそこで安産を祈願する呪術師の役も務めたにちがいありません。この時代、女呪術師の数は男呪術師の1万倍いたそうです。
占星術で魔術を知る
ある人が誕生した時、10個の惑星(太陽、月、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星)や黄道十二宮がどんな配置をしていたのか。
これを示したホロスコープをもとにして、性格や運命、潜在能力などを読み取り、未来を予測するのが占星術です。
占星術と魔術の関わりとはどんなものでしょうか。
魔術は自然界とつながって願望を果たすことを目的としています。それには惑星がよい配置になった時を選ばなくてはならない、だから占星術の知識が必要とされるのです。
占星術で護符(タリスマン)を作る

中世ヨーロッパには、占星術を高度に操作する魔術師がいました。
吉兆にあたる十二宮で特別に作った「天体の護符」は、フランス王妃を筆頭に、王侯貴族たちの引く手あまたとなったのでした。
パトロンである彼らは支配力や富、美、透視力など自分が望む超自然的な力を護符から得られるものと信じたのです。
一般的な護符の作成方法はこんな感じです。
まず、力を受ける星を決めて、その星と占星術的に対応した動植物や鉱物、金属を選択します。
降りてきた星の力を護符に封じ入れた後も、時期がくるまで適正に保管しなければなりません。占星術の法則に対する学識や魔術の作法をこなす技量が求められました。
占星術でハーブ(薬草)を決める
占星術と植物は、古代医学からつながりがあると考えられてきました。ここでは魔女が親しんできた薬草をとりあげます。
古代ギリシアの医学者ヒポクラテスは「熱・冷・乾・湿」で薬草を分類しました。
中世の書物では薬草と関わりのある惑星を花の時期、収穫時期や色、形で決定しています。
薬草の種類や香りがわかってきてマジカルオイルなどを作る機会もあるでしょう。そのとき、四大元素のパワーをもらえるように薬草を意識して組み合わせるとよいのです。
熱・乾の薬草:体を温め乾燥させる
支配星は太陽・火星、四大元素は火。エネルギーをもつ。いきいきしたい時に。
- カモミール
- ローズマリー
- シナモン
- ジンジャー
- ブラックペッパー
冷・湿の薬草:体を冷やし水分を保つ
支配星は月・金星、四大元素は水。感性に作用する。体調を整えたい時に。
- レモンバーム
- ジャスミン
- ミント
- ローズヒップ
熱・湿の薬草:体を温め水分を保つ
支配星は木星、四大元素は風。豊かさをもつ。おおらかになりたい時に。
- セージ
- ナツメグ
- オレガノ
- バジル
冷・乾の薬草:体を冷やし乾燥させる
支配星は土星・水星、四大元素は土。粘り強さがある。やる気をだしたい時に。
- ヤグルマギク
- ラベンダー
- レモングラス
- フェンネル
占星術は魔女の素養に関係する学びをもたらしてくれますね。
世界をどんどん広げていきましょう。