【スピリチュアル】絵本で知る「愛すること」と「愛されること」
幼年時代に大好きな絵本や繰り返して読みたい絵本に出会えるのは幸せなことです。
絵本は子供のもの?
いいえ、大人になっても絵本は楽しめます。むしろ大人だからしみる絵本もあります。
心が疲れている時、愛が見えなくなった時、絵本を開いてみませんか。
思いがけない発見があるかもしれません。
君は君のままでいい
『たいせつなきみ』
文ルケード・絵マルティネス
パンチネロは木でできた小人ウィミックス。
この頃、小人たちの村がめっきり住みにくいのです。
すごい!と認める人に金の星、ダメ!とけなしたい人に灰色のだめじるしを貼ることが流行し、ぶきっちょなパンチネロはだめシールコレクターだから。
ウィミックスを作った彫刻家のエリは、他者の評価より大事なことについて教えてくれます。
あなたの一番になれたら
『ビロードのうさぎ』
文ビアンコ・絵酒井駒子
ビロードのうさぎが新しいおもちゃとして、ぼうやの元にやってきます。
おもちゃ部屋で、地味だからと縮こまっていると、古びた馬のおもちゃが「こころからだいじにおもわれたおもちゃはほんとうのものになる」と言います。
うさぎは幸運にもぼうやにぼろぼろになるまで愛されますが、別れが唐突に訪れました。
うさぎは本当のうさぎになれるのでしょうか。
ずっと一緒にいたいよ
『しろいうさぎとくろいうさぎ』
文・絵ウィリアムズ
しろいうさぎとくろいうさぎはどんぐりを食べたり、ひなぎくとびをしたりして森で楽しく遊んでいます。
やがてくろいうさぎが悲しそうな顔で「かんがえごとをしている」と繰り返すようになります。
ある日、やっと「いつまでもしろいうさぎといっしょにいたい」と願い事をしていることを打ち明けます。
しろいうさぎは目をまんまるくして答えました。
二匹の行く末がやわらかな自然の描写とともにつづられます。
あげるばかりの私と受け取るばかりの君
『おおきな木』
文・絵シルヴァスタイン
大きなりんごの木が坊やに捧げる愛を描いたお話です。
坊やはかくれんぼうや木登りをして幼い日を木と過ごします。「木とぼく」と幹に刻むほどに仲良しでした。
長じて坊やだった男の興味は外に向かい、木は求められるままに、リンゴの実、枝をすべて与え、ついに幹も。
これで船を作り去っていく男を痛みと共に見送ります。
木が与えた愛は一方的で犠牲的なものだったのか、その解釈は読み手にゆだねられます。
赤い糸はいつまでも『まってる。』
文カリ・絵ブロック
横に長い本のサイズと、シンプルなペン画に赤い糸がリアルに描かれた異色の絵本です。
主人子の少年から老年までの人生にさまざまな「待っている」シーンが訪れます。
おやすみのキスを、彼女との再会を、「さようなら、ありがとう」って言わなきゃいけない日を…。
男に寄りそってきた赤い糸のつながる先に余韻を残して絵本は終わります。
絵本は読む人のもの
どんなに人気の高い絵本でもぴんとこない、心に響かないことがあります。出会ったときの年齢や状況で変わることも。
ご紹介した絵本に出てくる愛の形を皆さんはどう思いますか?
ひとつのストーリーや絵に対する解釈は十人十色です。
その時々に勇気や元気をくれるあなたにとっての一冊が見つかるといいですね。