【トートタロット】アテュ 3 女帝の意味と解説|Atu III The Empress

女帝のメッセージ:
愛と調和が豊穣に至る扉を開く
トートタロットの3番のカード、女帝「The Empress」についてその意味や解釈の仕方を紹介します。
女帝のカードは穏やかな愛と調和に満たされた世界を表します。これまでの行いがひとつの終りを迎え、更なる発展の時を迎えました。
創造物を理解すること、自身の望みを知ること。深い愛情をもってそれらと向き合うことで、次のステージへの扉が開かれます。
ときに情の深さが仇となって、判断力を曇らせることも。バランスを欠いた判断はいい結果には繋がりません。公平であることを心がけて。
トートタロット:女帝

象徴と物語
カードの中央に描かれた女帝は、蜜蜂が刺繍された柔らかな桃色と新緑色の服を着て穏やかな様子で玉座に腰を掛けています。
まるで彼女自身が一輪の花のように美しくないですか?
女帝が象るのは豊穣の女神イシスです。
女司祭も同じくイシスを象っていますが、女司祭が処女性を表すのとは逆に、女帝は母性と多産を表します。
頭には女司祭と同じ月の王冠を戴いています。
女帝は愛と美の女神ヴィーナスでもあります。容姿だけではなく、知性や精神などの内面の美しさも持ち合わせています。
蔓を編んだような玉座は塩を含む水、羊水で出来ていています。玉座には終わりと始まりを表す三日月のオーナメントが飾られています。
その上にはヴィーナスに仕えるツバメと鳩がとまっています。ツバメは愛と幸福を、鳩は愛と平和を象徴します。
女帝は創造と受容を象徴する青い蓮を右手に持っています。そして左手はまるで赤ちゃんを抱いているかのようにゆるく曲げられています。
このポーズは錬金術における塩を表します。
錬金術において塩は、正反対の性質を持つ水銀と硫黄を結びつけるのに必要な元素だと言われています。
女司祭は水銀を、皇帝は硫黄をそれぞれ司りますので、女帝は彼らを結び付ける役割を持っているということですね。
足元には母性と自己犠牲を表すシンボルとして母乳を与えるペリカンが、その反対側には錬金術で銀を表す白い双頭の鷲の盾があります。
床には百合と魚が刺繍されたタペストリーが敷かれています。
そして、女帝の背後にはアーチ状の扉があります。これは女帝に与えられたヘブライ文字「ダレス=扉」を表すものです。
カードの解説
右よし、左よし。よっしゃ、出発進行!
女帝に振られた番号は3です。「自分」と「他者」との間に「結果」という第3の存在が現れることを表します。
こう書くとまるで妊娠を示唆しているようですね。カードの絵的にも、赤ちゃんをあやす練習をしているようにも見えますしね。
それも可能性としては十分あり得ます。
ですが、女帝は物質世界より高次元に位置するカードのため、もっとユニバーサルな可能性を秘めています。
例えば、
0愚者:商品のアイディアを得る
1魔術師:実現に向けてリサーチをする
2女司祭:協力者や出資者を得る
3女帝:準備が整い生産開始
とか、
0愚者:そろそろ結婚したいわ~
1魔術師:よし、婚活するべ
2女司祭:この人ええ感じやない?
3女帝:せやな~、婚約する?しちゃう?
という風に、女帝のカードを引くときは、次のフェーズに移行する準備ができたとき。
GOサインを教えてくれる素敵なカードなんですね。
もしかしたらそれはあなた自身の成長を表すかもしれません。
経験を積んで夢の実現に必要な資格を習得したり、精神的に一皮むけて大きな成長をしたり。その結果、夢に続く扉が開きます。
あるいは、今まさに成長を余儀なくされているのかもしれませんね。
目下大変で心が折れそう!って状態の人には朗報です。夜明けのときがきましたよ!
基本の意味
「愛」は免罪符にはなりません
女帝のカードの根底にあるのは愛です。愛するがゆえに理解しようと試み、受け入れ、明るい未来へと進むのです。
それはときに自己犠牲を伴うこともあります。
女帝のカードを引くときは、何かが完結して新たな進展があるときです。基本的にとてもポジティブなカードです。
けれど、どこまでも母属性の女帝です。他者の成功のためにこれまで献身してきた可能性もあります。
もしかしたらスポットライトが照らすのはあなたではないのかもしれません。
そこに喜びもあるのでしょう。
まるで子供の成長を見守る母親のように、スポットライトに照らしだされた笑顔が何よりのご褒美。
そう感じられることは素敵ですよね。けれど、あなた自身の幸福はどこにあるのでしょう。
はい。尽くし気味の人、アテンションプリーズ!
あなたの献身もあって、ひとつの区切りが付きました。今がいい機会です。自分自身にスポットライトを当てて、あなた自身の幸福について考えてみませんか?
また、過剰な愛はときに毒となります。あなたの献身が逆効果になっていませんか?
過干渉は子を歪めます。歪められた子はやがて母を恨むようになります。
あなたの考えや望みを押し付けていませんか?それはもはや愛とは呼べません。
愛とは理解して受け入れることです。相手の言葉に耳を傾け、本当に欲しているものを知ることが大切です。
今いちど、愛とは何ぞと自身に問いかけてみましょう。
