【トートタロット】アテュ 6 恋人の意味と解説|Atu VI The Lovers
恋人のメッセージ:
柔軟な心と思いやりが同意を得る秘訣
トートタロットの6番のカード、恋人「The Lovers」についてその意味や解釈の仕方を紹介します。
恋人が表すのは分析と統合です。物事を正しく理解して判断することで、あなたが望む契約に同意を得られます。
そのためには、周囲や相手の心に沿って選択をする柔軟さ、細やかな気遣いが求められます。
例えば、好きな人と付き合うことになったり、仕事上での契約が取れたり。そのためには相手の心を知ったり、望むものを提示する必要があるんですね。
このカードを引いたときは物事が進展しますが、すべての問題がクリアされたわけではないため、そこには未解決の課題が残された状態になります。
トートタロット:恋人
象徴と物語
このカードに描かれているのは、黒の王と白の女王の結婚式です。
カードに当てられたヘブライ文字「ザイン」が意味する「剣」が、式場のアーチに配列されています。左右の柱にはイブとリリスが描かれています。
カードの中央で王と女王が手を取り合っているのは、二人がこの婚姻へ同意していることを表します。
王は槍を、女王は聖杯を空いた手に持っています。これはそれぞれの性質、槍=知性、聖杯=感情を表します。
王は太陽の王冠を戴き、知恵と変容の蛇が刺繍されたローブを身に付けています。女王の王冠は月を象り、服にはエナジーと勤勉を表す蜜蜂が刺繍されています。
2人の後ろにはフードを目深にかぶった人物が両手をかざすように立っています。この人物は隠者であり、魔術師として描かれた神のメッセンジャーであるヘルメスの姿の一つです。
隠者の両腕は巻物のようになり、それがメビウスの輪のよう王と女王の上で巡っています。この巻物には2人の婚姻を祝福する言葉が書き記されています。
隠者の頭上では、矢をつがえたキューピッドが目隠しをした状態で狙いを定めていますが、その先には何もありません。矢は知性を、目隠しは無意識を表します。
クロウリーは、キューピッドは生命の木のケテル(王冠)からコクマー(知恵)のパスに狙いを定めていると記しています。
ここは愚者が配されているパスなので、もしかしたらインスピレーションや冒険心の大切さを示唆しているのかもしれません。
王と女王の手前に描かれた子供たちは双子で白い子供がアベル、黒い子供がカインを象っています。アベルはバラを、カインは棒を手に持ち、反対の手で聖杯と槍を支えています。
王には赤いライオンが、女王には白いイーグルが侍っています。その間では羽の生えた卵に蛇が絡みついています。これは王と女王の婚姻の結果の原初の姿です。
カードの解説
知ることでそこに至る
恋人のカードを単純に読み下すなら「知覚し心を尽くせば手に入る」となります。
なので、好きな人とお付き合い出来るかと占えば「Yes!相手の気持ちに寄り添えばOK!」ですし、仕事で昇進出来るかを占えば「Yes!周囲への配慮や根回しをすればOK!」となります。
相手の心に寄り添うためには、まずは相手を知らなければなりません。そうして得た情報を分析して、最適な行動を起こすことで欲しいものをゲットします。
一見ロマンティックな恋人というカードに「分析」とかくっついているのはそういうことなんですね。
「統合」は二つ以上のものをくっつけることです。この場合は人や環境、または条件だったりを、歩み寄るなどして折り合いをつけることを指します。
大切なのは周囲とのバランス、相手の心との調和なんですね。そのため恋人のカードには、調和を表す6番が振られています。
6には調和を保つために必要な思いやりや奉仕の心が与えられていますが、3の女帝の自己犠牲を伴う献身とは方向性が違います。
恋人の指す献身は、あくまで欲しいものを手に入れるための手段であり戦略です。あなたの選択は周囲ありきですが、その流れはあなたの目的へと向かっています。
とはいえ、相手ありきで選択することになるため、あなたの「我」は抑圧された状態と言えます。そのため、「我の解放」という課題が残されることになります。
基本の意味
愚者のスピリッツに倣うべし!
恋人のカードの影響下にあるときは、欲しいものが手に入るときです。相容れないような相手や、条件だと感じても、そこに上手く折り合いを付けられたならあなたの勝ちです。
今はあなた自身の考えを通すより、周囲との調和が大切です。何がベストな選択かは、相手の気持ちや条件から分析しましょう。
あなたの願いをかなえるためとはいえ、自分を作りすぎると後でしんどい思いをすることになります。
例えば、気になる人の気を引くために身の丈に合わない服を着たり、好みじゃない音楽を聞いたりした場合。
続けているうちにそれが自然になれば問題ないですが、そうでなければいつかは等身大の自分を見てもらいたいと思うようになるでしょう。
また、「言ったもん勝ち」的に始まることもあるため、深まる前に終わることもありえます。ある意味では浅いお付き合いになるため、傷も浅く済むかもしれません。
もしくはすごくやりたかった仕事に就くことができて喜んでいたけれど、後から自分の能力ではやっぱり無理!となることも。
どちらも自分を過剰に偽った場合に起こることなので、作ったイメージレベルに自分自身を引き上げる努力、または等身大の自分を受け入れてもらう努力が必要になります。
チャンスを生かすも殺すもあなた次第。何事も経験。場合によっては相応の覚悟も必要ですが、ここは思い切って手を伸ばすのがいいでしょう。