【トートタロット】アテュ 14 技の意味と解説|Atu XIV Art
技のメッセージ:
個々の性質を生かすことが安定に繋がる
トートタロットの14番のカード、技「Art」についてその意味や解釈の仕方を紹介します。
技(Art)は一般的なカードでは「節制」の名を持つカードです。どちらのカードも 目指すのは安定ですが、そのアプローチは真逆です。
節制は行動や思考に「制限を設ける」ことでそれを成そうとし、技は逆に「制限を取り払う」ことで成そうとします。
技のカードを引いたときは、今あるリソース(物質、人員、予算)などをどう使うか考えることが問題の解決に繋がります。
自由な発想力と柔軟な思考力で、個性を生かす方向に物事を進めましょう。
トートタロット:技
象徴と物語
カードの中央に描かれているのは、恋人のカードで婚姻を果たした黒の王と白の女王が統合された姿です。
2人の持つあらゆる正反対の要素:男性性と女性性、太陽と月、火と水は、混ざりあい両性具有の熟練者(アデプト)として安定しました。
アデプトは月の女神で狩人のダイアナを象り、エフェソスのダイアナ像のように複数の乳房を持ちます。
また6という乳房の数はティファレト(美)を指します。
野菜や植物の成長を表す緑の衣には、勤労の蜜蜂と変容の蛇が描かれています。これらは成長、発展、豊穣を生む循環を表すものです。
恋人のカードに描かれていた獅子と鷲はお互いの性質を入れ替え、獅子は火の赤に、鷲は水の白に染まりました。
王の手には松明、女王の手には聖杯を持ち、それぞれが火と水を大釜に注いでいます。獅子は燃える血を、鷲は白いグルテンを大釜に足しています。
火は水を燃やし尽くし、水は火を消し止めるものですが、これらの要素が互いを打ち消すことなく大釜の中に存在しています。
大釜の色はティファレト(美)の太陽の色です。大釜に描かれたクロス、カラス、頭蓋骨は死と再生=循環を表します。
大釜から蒸気が立ち昇り、アデプトの襟で二つの虹になります。その蒸気の道をたどるように、一本の矢が上昇します。
この矢はカードを加護する射手座の矢であり、ダイアナが狩猟に使う矢です。矢は月のイェソド(基礎)から太陽のティファレト(美)に向かって放たれました。
カードの解説
多様性が発展の源になる
技のカードには偉大な錬金術が描かれています。
ここに描かれた錬金術のなにがすごいって、あらゆる正反対の要素を持つものが、個の要素を保ったままひとつの形として安定しているところです。
まさに匠の技。
この錬金術は多様性の重要性を説いているのですが、出る釘は打たれる文化が根付いた社会ではなかなか受け入れがたいことの一つでしょう。
けれど、同じ価値観を持つ人ばかりでは見えない世界というものが存在します。違った考え方や捉え方をする人がいるからこそ、可能性が増え、発展に繋がっていくものです。
だからこそ、個を消さずに調和させるための技が必要なんですね。
技のカードに対応する射手座は、多様性や未知の物事に寛容で、自由奔放に理想を追求する力を持っています。
対応するヘブライ文字は「支柱」を意味するサメクです。この支柱に当たる部分には矢が描かれ、ティファレト(美)の太陽をまっすぐに目指しています。
太陽が表す理想や夢、目標を持つことが大切なんですね。
背景に書かれた意味深な文字はラテン語で「地球の内側を探したら隠された石が見つかるよ」というようなことが書かれています。
地球はマルクト(王国)を指しますので「問題解決に必要なリソースは身近にあるよ、心の眼をかっ開いてよく見てごらん」てことになります。
カードのもつ数字は4(14-10=4)。多様性の安定と維持を図りつつ、発展させることを使命としています。
基本の意味
テトリスをプレイするように
技のカードを引いたときは、不揃いなものを上手く調和させることが問題の解決に繋がるときです。
例えばメンバーの意見がバラバラだったり、育った環境が全然違ったり、年齢や性別、国籍が違ったり。あるいは皆の欲しいものの色やサイズが違ったり。
何かしらの違いがあるために物事がスムースに進まなかったり、足を引っ張っる結果になることってありますよね。
問題の解決策は身近なところにあります。上手くいかないことがあるなら、まずは不協和音の元を探ることから始めるといいでしょう。
そしてズレた音を矯正したり取り除くのではなく、タイミングやポジションを調整することでバランスをとることが大切です。
今は、牽制したり抑圧するような行為は非効率です。それぞれの持ち味を生かす方法を考えましょう。
例えば、カードや銀行の残高を上手く操作して、給料支払い日までしのいだり。嚙み合わないメンバーの能力を活かすために、チームを再編成したり。
また明確なゴールを提示することで、周囲の意識をまとめるのも効果的です。
物事が停滞して動きがなかったり安定しないときは、正反対の性質のものを投入すると、いい起爆剤となります。