【トートタロット】カップの騎士の意味と解説|Knight of Cups
カップの騎士:
引き寄せて虜にする誘惑する者
トートタロットのコートカード、カップの騎士「Knight of Cups」についてその意味や解釈の仕方を紹介します。
カップの騎士は、誘引力と溶解力を表します。
人や物事を誘引し、思い描いた結果を得ることに長けた人物です。穏やかな人柄からは想像できないような、情熱を秘めています。
浮気や秘密の恋を指すカードでもあります。
気になる相手や恋人は、既婚者の可能性があるかもしれません。もしそうだった場合、相手には家庭を壊す気がないので、深手になる前に手を引くのがベターです。
トートタロット:カップの騎士
象徴と物語
カップの騎士は片手に聖杯を掲げ、反対の手で白馬を操縦しています。
掲げた聖杯からは、蟹座のシンボルである蟹が姿を現しています。この蟹は騎士の攻撃性を表しますが、家族間の繋がりや愛する人との精神的な繋がりも表します。
蟹の後ろには9本の波、または光があります。これは海を支配する月の影響を示唆しています。
騎士を乗せた白馬は駆け上がりながら、ついと振り返り進行方向ではなくこちらを見ています。
馬は騎手の内面を表す存在なので、カップの騎士の意識が、目的の達成よりも周囲の反応に向いていることを表します。
騎士はオリーブグリーンの鎧を身に付けていますが、クロウリーによればこれは黒で、純白の羽も鎧の一部です。
この白い羽は充電器としての役割を持ち、騎士にエネルギーをチャージし続けます。また羽ばたきは追い風となって、白馬の勢いを増します。
右下には羽を広げた一対の孔雀がいます。孔雀は優美さと虚栄心、そして攻撃性を表します。番で描かれた孔雀は夫婦円満を表しています。
カードの解説
魅惑の誘引力
カップの騎士は水の中の火です。感情を司る水が火の影響を受け活性化するため、受動的でありながらとても情熱的な性質を持つのが特徴です。
誰かが騎士の心に情熱の火が灯したら、素早く反応して行動を起こします。
クロウリーの見解に基づいて鎧を黒としたとき、鎧と羽の色の組み合わせは、ドラマティックな展開・急激な物事の変化を表します。
カップの騎士はチャンスを受け取った後の行動力に目を見張るものがあるので、とても的を射ていますね。
見たまま緑と受け止めると、愚者と同じ春の緑、創造と成長の色と見ることができますね。
シンボルの説明で度々攻撃性が示唆されているカップの騎士ですが、攻め込むタイプの攻撃ではなく、誘い込んで取り込むタイプの攻撃です。
これは溶かして混ざる水の性質を指しています。そして、加熱された水は溶解力も高くなりますよね。
火のエレメントによって活性化された水には、相手を溶かして取り込む強い力が秘められています。
カップの騎士に魅了されると、気づかない間に取り込まれてしまう。そういった恐ろしい一面を持っているのです。
基本の意味
人物を表す場合
カップの騎士が表すペルソナは、年上や壮年の男性、または既婚者です。包容力があり穏やかな空気を持つ人です。
この人物は優美な雰囲気を持ち、大人の余裕を感じられる人です。そのため、既婚者であっても女性からの人気が高いでしょう。
基本的に受け身で自ら行動を起こすことはありませんが、誘いには積極的に応じる恋多き男性です。
人を魅了することに長けています。相手に行動を起こさせるように、うまく誘導することもあるでしょう。
恋人としては理想的な要素を多く持つ人物ですが、既婚者である可能性が高いため注意が必要です。
基本的に夫婦仲は良く、家族を大切に思っている愛情深い人です。恋人はあくまで泡沫の夢として楽しんでいるだけです。
積極的に一線を越えようとはしてこないので、仮想恋愛の対象として一線を引いたまま雰囲気を楽しむのには手ごろな相手といえるでしょう。
ただし、忍耐強く気が長い上に、魅力的な人なので、気が付いたら夢中になっていたということもあり得ます。
この人物が夫を指す場合、夫が何かに熱中していることを表します。それが趣味なのか、若い女性なのか。見極める必要がありそうです。
彼はあなたを愛しているので、責め立てるより甘い雰囲気などで誘惑する方が効果が高いです。
本人や環境を表す場合
目標を達成させるには、押すより引く方が効果が高そうです。けれど、距離を置くのではなく手招いて引き寄せるイメージです。
誘いが増えて優柔不断になってしまったり、あれもこれもと手を出したくなるかもしれません。あるいは、何かに夢中になって他のことが見えなくなるのかも。
その熱狂は一過性である可能性が高いので、楽しむことを視野に入れてもいいでしょう。
ただし、冷めてしまった後のことを考えるなら、大きな金額を動かすのは熟考したほうがよさそうです。
虚栄心が強くなっているようです。
周囲の眼に映る自分がモチベーションに繋がるならそれもいいでしょう。障害となっているなら、フォーカスを目的にリセットしたほうがよさそうです。